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技術解説 フォアハンドストローク

フォアハンドストロークのグリップ(握り方)は、どれが良い?【前編】 世界のトッププロのグリップ

投稿日:2018年9月30日  更新日:

今回は、フォアハンドストロークのグリップ(握り方)にまつわるお話です。

このお話は、少し長くなりそうなので、前編、中編、後編の3つに分けてお届けします。

この記事は、その前編になります。

ここでは、フォアハンドストロークのグリップの種類と、世界のトッププロのグリップをご紹介します。

フォアハンドストロークのグリップ(握り方)の種類

上の写真に掲載している握り方は、一番左がコンチネンタルグリップ、左から2番目がイースタングリップ、真ん中がセミウエスタングリップ、一番右がウエスタングリップです。

右から2番目は、ウエスタングリップとセミウエスタングリップの中間の握り方で、この記事では、「ウエスタンに近いセミウエスタン」と呼ぶことにします。

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それぞれのグリップ(握り方)は、人差し指の付け根の部分(上の図の部分)が、ラケットのグリップのどの面(上の図の2~5)に接するかによって、区別されます(右利きの人を想定しています。)。

人差し指の付け根の部分が、コンチネンタルの場合は「2」に、イースタンの場合は「3」に、セミウエスタンの場合は「4」に、ウエスタンの場合は「5」に、それぞれ接することになります。

ちなみに、セミウエスタンの「セミ(semi)」というのは、「半分」という意味です。

また、ウエスタングリップのことを、「半分」ではなく「完全な」ウエスタングリップという意味を込めて、「フル(full)」ウエスタングリップと呼ぶことがあります。単に「ウエスタングリップ」と言った場合には、セミウエスタングリップのことを指していると解釈される可能性もありますので、セミウエスタングリップのことではないということを明確にしたい時に、「フルウエスタングリップ」と言うことがあります。

「錦織選手のフォアのグリップは、フルウエスタングリップです。」と色々な所で書かれたり、言われたりしていますよね。

フルウエスタングリップは、一般的なウエスタングリップと同義であって、特別な握り方を意味するものではありません。

世界のトッププロのグリップ(握り方)は?

錦織選手のグリップは、ウエスタングリップというのは有名な情報ですが、ここで、世界のトップ選手達のグリップをチェックしておきましょう。

男子

まず、下の表は、男子の世界ランキングトップ20のグリップをまとめたものです。

グリップは、選手の身長との関係も語られることがあるので、身長も載せておきました。

ランクは、2018年9月24日付のATPランキング

なお、この表に掲載しているグリップは、私自身が、選手一人一人の写真や映像を見て調査したものです。

グリップの判別が難しい選手もいて、異なる角度からの複数の写真を見ないといけなかったり、それでも分からない場合は、映像も見なければならなかったりと、意外と骨が折れる作業でした。

さて、表に掲載した選手は、トップ20に、ダビド・フェレール(元ATPランキング3位)と、アンディー・マレー(元ATPランキング1位)を加えた22人です。

フェレールとマレーは、トップ20には入っていませんが、どちらもすごい成績を残している選手なので特別に加えておきました。

どのグリップの選手が多い?

22人のグリップの内訳を見てみると、イースタンが3人、セミウエスタンが6人、ウエスタンに近いセミウエスタンが5人、ウエスタンが7人、ウエスタンよりも厚い特殊なグリップ(エクストリームウエスタンと呼ばれることがあります。)が1人、となっています。

というわけで、ウエスタングリップが一番多くなっています。

身長とグリップの関係は?

180センチ代の後半以上の背が高い選手は、イースタンからウエスタンまで様々です。

170センチ代の背が低い選手は、全員ウエスタングリップとなっていますので、「背が低い選手は、厚いグリップの方が良い」という仮説を立てることはできそうです。

女子

次に、下の表が、女子の世界ランキングトップ20のグリップをまとめたものです。

ランクは、2018年9月24日付のWTAランキング

ここでも、「トップ20」と言いましたが、伝説的な選手であるヴィーナス・ウィリアムズを加えておきました。

どのグリップの選手が多い?

女子のグリップは、どうでしょうか。

21人の内訳を見てみると、イースタンが4人、セミウエスタンが6人、ウエスタンに近いセミウエスタンが6人、ウエスタンが4人、ウエスタンよりも厚い特殊なグリップが1人、となっています。

セミウエスタンと、ウエスタンに近いセミウエスタンが最も多くなっています。

身長とグリップの関係は?

今回調査した21人のデータだけでは、身長とグリップの関係性は、全く見られません。

170センチ以下の背が低い選手のグリップも、イースタンからウエスタンまで、様々です。

中編⇩に続きます。

<参考文献>
ボロテリー, ニック著、梅林薫・宍戸真訳『ボロテリーのテニスコーチング』(大修館書店、2005年)

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