今回は、主にジュニアのレッスンで使われるグリーンボール(STAGE 1 TENNIS BALLS)についての、レビュー記事です。
ヨネックス、ブリヂストン、スリクソン、ヘッドの各メーカーのボールを、それぞれ9ヶ月間、レッスンで使用して、比較してみました(ヨネックス、ブリヂストン、ヘッドの3社のボールは、全く同時に使用を開始しました。)。
私は、現在、どこのメーカーとも契約をしておらず、このようなレビュー記事を堂々と書くことのできる数少ないテニスコーチの1人かもしれません。
ですが、そもそも、なぜ、このような比較を行うことにしたのかと言いますと、それは決して、このブログでレビュー記事を書くためではありません。
それは、自分のテニスクラブで、最も良いボールを購入するためです。
以前勤務していたテニススクールでは、ブリヂストン、ウィルソン、プリンスのグリーンボールを使用したことがありましたので、それぞれの品質は、ある程度把握していました。
これらの3社のボールを比較すると、ブリヂストンのボールが最も耐久性が高いと感じていましたが、これまで使用したことのない、他のメーカーのボールがどのような品質であるのか、ということも知りたかったのです。
しかし、ジュニア用のボールは、高額であり(イエローボールの2倍くらいの価格です。)、全てのメーカーのボールを購入して試す、ということには若干のためらいがありました。
そこで、私は、まず、商品知識が豊富な店員さんがいるかもしれない某有名テニスショップに行き、各メーカーのグリーンボールの違いを聞いてみることにしました。
私「グリーンボールって、メーカーによって、品質に違いがあるのでしょうか?」
店員の方「グリーンボールは、どのメーカーのボールも、ほとんど一緒ですね。」
私「・・・そうですか・・・ありがとうございます。」
という感じで、参考になる情報を得ることはできませんでした。
そのため、結局、各メーカーのグリーンボールを数十球ずつ購入して、自分で試すことにしました。
比較の結果
重要なポイントを表にまとめると、次のようになります。
耐久性と価格については、4つのメーカーを比較した場合の順位を書いています。
打球感
まず、打球感ですが、ヨネックス、ブリヂストン、スリクソンは、いずれも、やわらかい(軽い)打球感で、あまり差を感じません。
ちなみに、ウィルソンのグリーンボールも、このような、やわらかい打球感であったと記憶しています。
これに対して、ヘッドのボールは明らかに硬い(重い)です。
ちなみに、プリンスのグリーンボールの打球感は、ヘッドのボールのそれに近く、硬いものであったと記憶しています。
個人的には、やわらかい打球感が好みですが、打球感に関しては、どちらが良い、ということではなく、人によって好みの分かれるところかもしれません。
耐久性(弾力保持性)
耐久性と言いますと、ボール表面のフェルトの耐摩耗性も問題となりますが、これに関しては、メーカー間の差はあまり感じられませんでした。
ここでお話しするのは、弾力保持性、すなわち、どれだけ長い期間、弾力性を保持できるか、という点についてです。
私が最も重視しているのは、この耐久性です。
なぜなら、クラブの生徒達には、ボールを交換する直前まで、しっかり弾むボールでプレーをさせたいからです。
グリーンボールは、すべてノンプレッシャーボール(ボール内部の空気圧が高められていないボール)ですが、使用を続けているうちに、少しずつ弾まなくなっていきます。
使用を続けることによって、「空気が抜けて」弾まなくなるのではなく、「ゴムが劣化することによって」弾まなくなるのだと考えられます。
ヨネックスとブリヂストンのボールは、この耐久性が優れています。
特に、ブリヂストンのボールは、9ヶ月使用しても、新品のボールとほとんど変わらない弾力性を有している個体もあります。
スリクソンのボールの耐久性は、ブリヂストンやヨネックスに比べると、やや劣るという印象です。
ヘッドのボールは、最初から、あまり飛びが良くない印象でしたが、9ヶ月使用すると、他のメーカーのボールよりも明らかに弾まなくなってしまいました。
価格
価格の面では、ヘッドのボールが最も優れています。
ただ、耐久性の観点から、私の中での選択肢は、ヨネックスとブリヂストンに絞られますので、あとは、価格の面での勝負ということになります。
両者の価格を比較すると、ヨネックスのボールの方が圧倒的に安くなっています(1球当たり20円前後、安いです。)。
したがって、ヨネックスのボールは、ブリヂストンのボールよりもコストパフォーマンスが高いと言えます。
まとめ
私の評価としましては、ヨネックスのボールが、耐久性に優れ、コストパフォーマンスが高いので、メーカーについてのこだわりが無いという方には、ヨネックスのボールをお勧め致します。
「価格はあまり気にしないので、とにかく耐久性の高いボールが欲しい!」という方は、ブリヂストンのボールを選んでください。
ちなみに、テニス界における「スリクソン」ブランドは、「ダンロップ」ブランドに統一されましたので、現在は、グリーンボールも、そのロゴが「スリクソン」から「ダンロップ」へと変更になっています。
ダンロップへの変更に伴なって、ボールの品質に変化があったかどうかは分かりませんが、残念ながら、販売価格は上がってしまいました。
今回のレビューは、以上となります。最後までお読みくださり、ありがとうございました。
ヨネックスとブリヂストンのグリーンボールは、こちらです⇩