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技術解説 サーブ

サーブを打つとき、左手は、どのように使うの?左手の役割って?

投稿日:2018年12月3日  更新日:

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今回は、サーブを打つときの、左手の使い方・役割(右利きの人を想定して、「左手」と書いています。以下、同じです。)についてのお話です。

サーブの際の左手の役割は、基本的には、フォアハンドストロークを打つ際の左手の役割と同じだと考えていますが、一応、この記事でまとめておこうと思います。

なお、フォアハンドストロークの左手については、以前の記事で解説しています。

その記事は、こちら⇩です。

バックスイング(テークバック)の段階における左手の使い方

まず、言うまでもなく、左手でトスを上げます。

では、トスを上げ終えた左手は、その後、どうするでしょうか。

トッププロのサーブを見てみますと、左手は、トスを上げ終えた時の位置に残しておくか、あるいは、そこからベースラインの外側の方(ボールを飛ばす方向とは反対の方向)に少し動かしている(左腕を倒している)ことが分かります。

サーブでは、上体をひねりながら(胸椎を回旋させながら)ラケットのバックスイング(テークバック)を行いますが、トスを上げ終えた左手は、下におろさずに、そのまま上に残しておくことで、ひねった上体が早くに戻ってしまうこと(このことを、一般に、「体が開く」と表現します。)を防ぎやすくなります

そして、トスを上げ終えた左手をベースラインの外側の方に移動させている選手は、それによって、さらに大きく上体をひねっていると考えられます。

もっとも、この点については、「左手を移動させることで上体をひねっているのではなく、上体をひねった結果、左手が自然に後方に移動しているのだ」という感覚を持っている選手もいるかもしれません。

私個人としては、左手をベースラインの外側の方に移動させることで、さらに上体をひねることができるという感覚がありますが、これは人それぞれかもしれません。

ちなみに、左手をバックフェンスの方に寄せる動きが大きく、私の印象に残っているのは、元世界ランキング1位のアンディ・ロディックです(2012年に現役を引退しています。)。

彼は、ツアー屈指のビッグサーバーとして知られ、公式戦でのサーブの最高速度は、時速249kmという驚異的なものです。

Andy Roddick

上の写真は、ロディックのトロフィーポーズを写したものですが、左腕が、ベースラインの外側の方に大きく倒れているのが分かります。

このような左腕(左手)の動きを伴う、上体の大きなひねり(胸椎の大きな回旋)が、ラケットのスイングスピード、ひいてはボールのスピードに影響を与えていることは間違いないと思います。

フォワードスイングの段階における左手の使い方

さて、フォワードスイングの段階における左手の使い方については、議論のあるところですが、私の考えは、次の通りです。

結論

フォワードスイングの段階では、ひねられた上体を戻すために左手をおろしますが、その左手は完全に下までおろすのではなく、体の前(お腹の前、あるいは胸の前)に残しておきます。

左手を体の前に残しておく理由は、上体が回りすぎること(これも、「体が開く」と表現されることがあります。)を防ぐためです

左手を体の前に残すことで、上体の回転にブレーキをかけ、それによって生じる慣性力を腕に伝えることで、その先のラケットを最大限に加速させることができるのです

左肘は引くのか?

この点については、左手(左肘)を体の横に勢いよく引くことで、上体の回転を速め、それによってラケットのスイングスピードを上げることができると考えている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、上体の回転の速度と、腕やラケットの速度は、別物です。

左手(左肘)を勢いよく引くことで、上体の回転が速くなったとしても、その上体の回転を減速させることができなくなり、上体の回転によるエネルギーを、腕やラケットに伝えることができていない可能性がありますので、注意が必要です。

トッププロの動きを見ても、左肘を勢いよく引くような動きはありません。

ところで、サーブの動きというのは、野球におけるピッチングの動きと似ています。

野球界でも、ピッチングのときに、左手のグラブを後ろに引くのか、それとも体の前に置いておくのか、ということが議論されていますが、今日では、グラブは体の前に置いておく、という考えが大勢を占めるようです。

野球にもご興味のある方は、下⇩の記事をご覧になってみてください。

和田毅の球速を13キロアップさせた、フォーム改良。「非投球腕」の使い方について | VICTORY

トッププロの左手の位置

それでは、トッププロのインパクト直後における左手の位置を確認してみましょう。

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まず、フェデラーですが、お腹の前あたりに左手がありますね。

US Open Tennis 2010 1st Round 220

先ほどご紹介したロディックの左手は、胸の前にあります。

フォロースルーの段階における左手の使い方

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フォワードスイングを終えた後は、体のバランスを保つために、左手を体の横や後ろの方に移動させても構いません。

ただし、これは自然に生じる動きであって、意識的に左手を動かす必要はないと考えます。

まとめ

以上のお話をまとめますと、左手は、サーブのスイングにおける上体の回転(胸椎の回旋)をコントロールする「ストッパー」としての役割を果たしていると言えます。

まず、バックスイングの段階においては、上体がひねられた状態をキープさせるため、左手という「ストッパー」をかけます。

次に、フォワードスイングの段階においては、いったん、その「ストッパー」をはずし、上体を左に回転させますが、その後、上体が回り過ぎないようにするために、再び「ストッパー」をかけます。

そして、フォロースルーの段階では、その「ストッパー」をはずすということになります。

今回のお話は、以上となります。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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